【不動産屋が解説】不動産売買時の所有権移転登記費用|司法書士への依頼と自分でやる方法

目次

はじめに

不動産売買を行うとき、所有権移転登記は避けて通れない手続きです。
通常は司法書士に依頼しますが、その費用は数万円〜十数万円かかります。

最近では、

「自分で登記すれば節約できるのでは?」
と考える方も増えています。

この記事では、不動産屋として数多くの取引を経験してきた立場から、

  • 所有権移転登記とは何か
  • 司法書士に依頼する場合の費用と内訳
  • 自分で行う場合の手順と必要書類
  • メリット・デメリット
  • 自分でやるときの注意点

まで、わかりやすく解説します。


1. 所有権移転登記とは?

所有権移転登記は、不動産の所有者が変わったことを法務局に記録する手続きです。
登記をすることで初めて、第三者に対して所有権を主張できます。

例えば土地や建物を売買したときは、買主が所有者として登記簿に記載される必要があります。


2. 所有権移転登記の費用相場

2-1 司法書士に依頼した場合の費用

司法書士に依頼する場合、以下の費用がかかります。

項目金額目安
司法書士報酬3〜8万円
登録免許税不動産価格 × 2.0%(軽減措置あり)
交通費・郵送費数千円

※登録免許税は、売買の場合は固定資産税評価額を基準に計算します。

例)評価額が1,000万円の土地
登録免許税:1,000万円 × 2% = 20万円


2-2 自分でやる場合の費用

自分で登記を行う場合、司法書士報酬は不要ですが、登録免許税や書類取得費用は必要です。

項目金額目安
登録免許税不動産価格 × 2.0%
印鑑証明書300円程度(1通)
登記事項証明書600円程度
住民票300円程度
郵送費必要に応じて数百円

3. 自分で所有権移転登記を行う手順

司法書士に頼まずに自分で行う場合、以下の流れになります。

3-1 必要書類の準備

売主・買主それぞれが用意する書類があります。

売主が用意するもの

  • 登記識別情報(権利証)
  • 印鑑証明書(発行3か月以内)
  • 固定資産税評価証明書

買主が用意するもの

  • 住民票(発行3か月以内)
  • 登記申請書(自作)
  • 登録免許税の収入印紙

3-2 登記申請書の作成

法務局のサイトや窓口で申請書の雛形が配布されています。
不動産の表示、権利の種類、登記原因、日付などを記入します。


3-3 法務局に申請

書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。
郵送も可能ですが、不備があると差し戻されるため、最初は窓口持参がおすすめです。


4. 自分でやるメリットとデメリット

メリット

  • 司法書士報酬(3〜8万円)が不要になり節約できる
  • 登記の仕組みを理解できる

デメリット

  • 書類不備や記載ミスで何度もやり直しになる
  • 法律知識が必要
  • 売主・買主の信頼関係が前提
  • 金銭授受の安全管理が自己責任になる

5. 司法書士に依頼するメリット

  • 手続きが確実・迅速
  • 登記だけでなく、売買代金の決済時の立ち会いも行ってくれる
  • 万一のトラブル時に対応してくれる

6. 自分で登記するなら知っておきたい注意点

  1. 売主・買主双方の合意が必要
    自分で登記する場合、売主側も了承してくれなければできません。
  2. 決済の安全性が確保しにくい
    司法書士は「登記と同時に代金を支払う」安全な仕組みを作ってくれます。
    自分でやると、登記完了前に代金だけ支払ってしまうなどのリスクが増します。
  3. 登録免許税の計算ミスに注意
    固定資産税評価額を確認し、間違いない税額を納める必要があります。
  4. 法務局の相談窓口を活用する
    登記書類は法律用語も多く難解です。必ず法務局で事前相談を受けましょう。

7. 実際の不動産取引での当社の経験

当社(不動産業)でも、稀に「自分で登記したい」というお客様がいらっしゃいます。
ただし、ほとんどのケースでは司法書士に依頼しています。

理由は簡単で、決済の安全性とスピードを優先しているからです。
売主・買主・金融機関のスケジュールを合わせ、即日で所有権移転を完了させるには、やはり司法書士の存在が欠かせません。


まとめ

  • 所有権移転登記は、司法書士に依頼すれば3〜8万円の報酬+登録免許税が必要
  • 自分で行えば司法書士報酬を節約できるが、手間とリスクが大きい
  • 初めての方は、まず司法書士依頼をおすすめ
  • どうしても自分でやるなら、法務局の相談窓口を活用し、慎重に進めること

💡 不動産売買は金額も大きく、登記は法律的にも重要な手続きです。節約も大切ですが、安全性を犠牲にしない判断が大切です。

この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)

ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。

ひたちハスウ代表石川実似顔絵
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