
【徹底解説】火災保険と家財保険の違い|不動産会社が教える正しい選び方

目次
はじめに
不動産を購入したり賃貸物件に入居したりする際、ほぼ必ず話題に上がるのが「火災保険」と「家財保険」です。
この2つ、名前は似ていますが補償の対象も役割もまったく違うことをご存じでしょうか?
「火災保険は入っているから安心」
「家財保険って必要?」
こんな疑問を持つ方も多いですが、実は誤解も多く、補償内容を理解せずに契約してしまうと、いざというときに保険金が受け取れないケースもあります。
この記事では、不動産会社の視点から火災保険と家財保険の違い・必要性・選び方を徹底解説します。
この記事を最後まで読めば、自分に必要な保険を正しく選び、万が一のときも安心できる体制を整えられます。
1. 火災保険と家財保険の基本的な違い
1-1 火災保険とは
火災保険は、建物本体に損害が生じたときに補償する保険です。
火事はもちろん、台風・大雨・雪害・落雷など、自然災害による損害も補償対象となるケースが多いです。
補償対象の例
- 一戸建てやマンションの建物そのもの
- 壁、屋根、床、柱、天井などの構造部分
- 付帯設備(キッチン・浴室・給湯器など)
つまり、建物の修理・再建費用をカバーするのが火災保険です。
1-2 家財保険とは
家財保険は、建物の中にある生活用品や家電、家具などの動産を補償する保険です。
火災や水漏れ、盗難などで家財が損害を受けた場合に、修理・買い替え費用が補償されます。
補償対象の例
- 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの家電
- ベッド、ソファ、テーブルなどの家具
- 洋服、カーテン、食器、時計などの生活用品
つまり、生活に必要なモノを守るのが家財保険です。
2. 補償範囲の違いを分かりやすく例えると?
火災保険と家財保険の関係は、家を「箱」に例えると分かりやすいです。
- 火災保険=箱そのもの(建物)を守る
- 家財保険=箱の中身(家具・家電・生活用品)を守る
例えば、火事で家全体が焼けてしまった場合、火災保険だけでは家具や家電の買い替え費用は補償されません。
逆に、家財保険だけでは建物の修理費は出ません。
3. 賃貸の場合と持ち家の場合の違い
3-1 賃貸物件の場合
賃貸では建物は大家さんの所有物なので、火災保険の「建物補償部分」は大家さんが加入します。
入居者は、家財保険+借家人賠償責任保険に加入するのが一般的です。
- 家財保険:自分の家財を守る
- 借家人賠償責任保険:自分の過失で部屋を損傷させた場合の修繕費を補償
3-2 持ち家の場合
持ち家の場合は、火災保険の建物補償に必ず加入すべきです。
加えて、家具や家電を守るために家財保険をセットで契約するケースが多いです。
4. 火災保険と家財保険で補償対象になる事故例
事故・災害 | 火災保険(建物) | 家財保険(動産) |
---|---|---|
火事で建物全焼 | ○ | ○ |
台風で屋根破損 | ○ | × |
水漏れで天井シミ | ○ | × |
水漏れで家電破損 | × | ○ |
盗難でテレビ紛失 | × | ○ |
※契約内容や特約によって異なります。
5. 加入時の注意点
5-1 補償範囲を確認する
火災保険も家財保険も、火事だけでなく自然災害や盗難も対象になる場合があります。
逆に水害や地震はオプション(特約)扱いのことが多いので、必要に応じて追加しましょう。
5-2 補償額の設定
家財保険の補償額は、世帯人数や家財の総額に合わせて設定します。
一般的には以下が目安です。
- 単身:300万〜500万円
- 4人家族:1,000万〜1,500万円
5-3 地震保険の検討
火災保険や家財保険は、地震による火災や損害は対象外です。
必要に応じて地震保険をセットで契約すると安心です。
6. 節約術と賢い選び方
6-1 火災保険と家財保険をセット契約
同じ保険会社でまとめて契約すると、保険料が割引になることがあります。
6-2 長期契約を選ぶ
1年更新よりも5年・10年の長期契約の方が総額を抑えられます。
6-3 不要な特約を外す
不必要な補償を外すことで、保険料を安くできます。
あわせて読みたい


対策必須!空き家から火災が起こる!放火に要注意
昨今、空き家問題が社会的に大きな課題となっており、その中でも特に深刻なのが「放火」による火災です。空き家を所有している方にとって、放火のリスクは見逃せない問…
7. まとめ
- 火災保険は建物を守る
- 家財保険は生活用品を守る
- 賃貸は家財保険+借家人賠償が基本
- 持ち家は火災保険+家財保険セットが安心
火災保険と家財保険の違いを理解しておけば、いざというときに必要な補償が受けられます。
「建物と中身、どちらも守る」意識で選ぶことが大切です。
この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)
ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。
