
【要注意】家を壊すと固定資産税はどうなる?

目次
解体後に「税金が6倍」になる本当の理由と、損しない判断基準
空き家や古い家を所有している方から、非常によく聞かれる相談があります。
「家を壊した方が売りやすいですか?」
「古いし危ないから解体しようと思っていて…」
「解体したら固定資産税は安くなりますよね?」
結論から言います。
家を壊すと、固定資産税は“安くなるどころか高くなる”ケースが非常に多いです。
しかもこの事実を知らずに解体してしまい、
- 毎年の税金が跳ね上がる
- 売れるまで何年も重い税負担を抱える
- 「壊さなければよかった…」と後悔する
こうしたケースは、現場では珍しくありません。
この記事では、
- 家を壊すと固定資産税がどう変わるのか
- なぜ「6倍になる」と言われるのか
- 壊した方がいい家・壊さない方がいい家の違い
- 売却・相続・空き家ごとの判断基準
を、不動産実務の視点から正直に解説します。
1. 家を壊すと「住宅用地の特例」が消える
まず、最も重要な前提から説明します。
住宅用地の特例とは?
住宅が建っている土地には、
固定資産税が大幅に軽減される特例があります。
小規模住宅用地(200㎡以下)
- 固定資産税:評価額の 1/6
- 都市計画税:評価額の 1/3
一般住宅用地(200㎡超)
- 固定資産税:評価額の 1/3
- 都市計画税:評価額の 2/3
👉 家が建っているだけで、税金はかなり抑えられています。
2. 家を壊すと何が起こるのか?
結論:土地が「更地」扱いになる
家を解体すると、その土地は
- 住宅用地 → ❌
- 更地(住宅なし) → ⭕
という扱いになります。
その結果、
👉 住宅用地の特例が完全に外れます
つまり、
固定資産税が最大6倍になる可能性がある
ということです。
3. 「税金が6倍になる」は本当なのか?
これは誇張ではありません。
具体例で見てみましょう
解体前(住宅あり)
- 土地評価額:600万円
- 小規模住宅用地適用
- 課税評価:600万円 × 1/6 = 100万円
- 固定資産税:100万円 × 1.4% = 1万4,000円
解体後(更地)
- 土地評価額:600万円
- 特例なし
- 課税評価:600万円
- 固定資産税:600万円 × 1.4% = 8万4,000円
👉 約6倍になっています。
これが「家を壊すと税金が6倍になる」と言われる理由です。
4. 「古い家だから壊した方がいい」は大きな誤解
多くの方が、こう考えます。
「ボロボロだから壊した方がいい」
「住めない家は価値がない」
しかし、不動産の現場では真逆です。
壊さない方がいいケースの方が圧倒的に多い
- 空き家でも「建物が存在している」
- 住めなくても「住宅として登記されている」
この状態であれば、
住宅用地の特例は維持されます。
つまり、
👉 「使えない家」でも「税金面では価値がある」
ということです。
5. 家を壊した方がいいケースも存在する
もちろん、すべての家を残すべきという話ではありません。
壊した方がいいケース①:特定空家に指定されている
- 倒壊の恐れがある
- 衛生上問題がある
- 行政から改善命令が出ている
この場合、すでに
- 住宅用地特例が解除されている
- 解除される可能性が高い
ため、壊しても税金が変わらないケースがあります。
壊した方がいいケース②:売却先が「更地前提」
- ハウスメーカーが購入
- 分譲用地として売却
- 明確に「更地渡し」が条件
この場合は、
売却がすぐ決まるなら解体も合理的です。
壊した方がいいケース③:再建築不可で価値が建物のみ
- 再建築不可
- 土地として価値がほぼない
- 建物が危険
この場合は、安全面を優先する判断も必要です。
6. 壊して後悔する典型パターン
パターン①:売れると思って壊したが売れない
- 更地にした
- 税金が上がった
- 売却まで数年
👉 毎年高い固定資産税を払い続ける地獄パターン
パターン②:相続直後に感情で解体
- 思い出があり壊した
- 使い道を決めていなかった
- 税金だけが残った
👉 「壊す前に相談すればよかった…」とほぼ全員言います
7. 売却予定があるなら「壊す前に必ず確認」
不動産会社として、ここは強く言います。
売却予定があるなら、壊す前に必ず相談してください。
なぜなら、
- 古家付きのまま売れるケースが非常に多い
- 買取業者・投資家は「壊さない方がいい」場合が多い
- 解体費+税金増=ダブルで損
になる可能性が高いからです。
8. 「壊さずに売る」という選択肢
最近は特に、
- 古家付き土地
- ボロ家投資
- DIY前提購入
といったニーズが増えています。
壊さずに売るメリット
- 固定資産税が安いまま
- 解体費が不要
- 買主の選択肢が増える
👉 壊す=正解、ではありません。
9. 空き家を「壊す・残す」判断フロー
迷ったら、以下の順で考えてください。
1️⃣ 行政から指導・指定があるか
2️⃣ すぐ売却予定があるか
3️⃣ 売却先は更地希望か
4️⃣ 税金が上がっても耐えられるか
このどれかで「NO」が多ければ、
壊さない方が得です。
10. 不動産会社としての本音
家を壊す判断で失敗する方の多くは、
- 解体業者の意見だけを聞いている
- 税金の話を誰にも聞いていない
- 「とりあえず壊す」という判断
をしています。
しかし不動産は、
壊したら元に戻せません。
だからこそ、
👉 「壊す前」に相談
👉 「税金を含めて」判断
これが本当に重要です。
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まとめ|家を壊すと固定資産税はこうなる
✔ 家を壊すと住宅用地特例が外れる
✔ 固定資産税が最大6倍になるケースあり
✔ 古い家でも残した方が得なことが多い
✔ 壊すべき家・壊さない家は明確に違う
✔ 売却予定があるなら壊す前に必ず相談
固定資産税は、
「知らなかった」では済まされない現実的な負担です。
もし今、
- 空き家をどうするか悩んでいる
- 解体を検討している
- 相続した家を放置している
そんな状況なら、
壊す前に一度、税金と出口戦略を整理することを強くおすすめします。
この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)
ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。







