住所と番地の違いを不動産屋が解説|登記・契約でトラブルを防ぐために知っておくべきこと

不動産の契約書や登記簿を見て、
「この住所、普段使ってるのと違う!」
「地番って何?住所と番地は違うの?」
と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産取引で最も混乱しやすい「住所」と「番地(地番)」の違いを、不動産屋の視点からわかりやすく解説します。
特に登記・売買・相続の場面で注意すべきポイントを、実際の現場感を交えて紹介します。


目次

■ 住所と番地の基本的な意味

まず、「住所」と「番地」は似ているようで、まったく別のものです。

  • 住所(住居表示) … 郵便物が届くための“生活上の場所”
  • 番地(地番) … 登記簿に記載されている“土地の番号”

たとえば、あなたの家が「常陸大宮市根本297-1」だとします。
これは日常で使う住所で、郵便局や宅配便が認識するものです。

しかし、**登記簿上では「常陸大宮市根本字○○297番1」**などと書かれている場合があります。
この「297番1」が「地番」です。

📌簡単に言うと

  • 住所=郵便物が届く場所
  • 地番=法務局が管理している土地の識別番号

■ なぜ「住所」と「地番」は違うのか?

日本では、昭和30年代以降に「住居表示制度」という仕組みが導入されました。
これは、道や街区単位で住所を整理する制度で、いわゆる「〇丁目〇番〇号」という書き方がこれに当たります。

一方で、昔からの「地番」は、明治時代の地租改正のときに決められた土地番号です。
そのため、地番は土地の歴史を示す“古い番号”
**住所は現代の暮らしに合わせた“使いやすい番号”**なのです。


■ 「地番」が使われるのはどんなとき?

不動産の世界では、契約・登記・測量・相続など、すべて「地番」で処理されます。

たとえば:

  • 売買契約書の土地表示欄:「常陸大宮市根本297番1」
  • 登記簿謄本に記載される土地番号:「297番1」
  • 法務局や市役所に問い合わせるときも「地番」で検索

つまり、不動産の“法的な住所”は「地番」なのです。
普段使う「住所」と違っても、登記上はこちらが正解になります。


■ 不動産取引でよくあるトラブル例

① 契約書の住所が住居表示になっていた

→ 登記上の「地番」と違うため、法務局で登記ができないケースがあります。
契約書を作成する段階で、登記簿上の地番を正確に記載することが大切です。

② 現地の住所プレートと登記簿の地番が一致しない

→ 特に地方(例:常陸大宮市、常陸太田市、那珂市など)では、同じ「町名」でも地番がバラバラ。
ナビで検索しても別の土地に案内されることがよくあります。

③ 相続で登記を進めたが、地番が違っていた

→ 相続人が複数いる場合、「登記簿の地番」と「実際の家の住所」が混同され、登記漏れ・相続漏れが発生することがあります。


■ 登記簿上の地番を確認する方法

地番を知るには、以下のいずれかの方法で確認します。

  1. 登記簿謄本(全部事項証明書)を法務局で取得
  2. 固定資産税の納税通知書を見る
     → 通常「地番」が記載されています。
  3. 市役所の税務課・資産税課で確認
  4. **法務局の「地番検索システム」**を利用

最近はオンラインで「登記情報提供サービス」を使えば、自宅のパソコンからも確認可能です。


■ 「地番」と「住居表示」が一致している地域・していない地域

全国すべての地域で住居表示が実施されているわけではありません。

地域の種類特徴
都市部(例:東京都・大阪市)住居表示実施地域が多く、住所と地番が異なる
地方都市(例:常陸大宮市・那珂市など)住居表示が未実施の地域も多く、住所=地番のケースもある

したがって、「うちは住所と地番が同じだから大丈夫」と思っていても、隣町に行くとまったく違うルールになっていることもあります。


■ 不動産契約・登記でのチェックポイント

1️⃣ 契約書には「登記簿上の地番」を記載

住所をそのまま転記すると誤記載になります。
必ず登記簿謄本を確認してから契約書を作りましょう。

2️⃣ 現地確認では「地番プレート」もチェック

現地に立っている「地番プレート」や「土地境界杭」の表示を確認します。
古い土地ではプレートが外れていたり、誤って隣地の番号を付け替えられているケースもあります。

3️⃣ 公図との照合

法務局で入手できる「公図(地図)」は、土地の位置と地番を確認する基本資料です。
境界トラブルを避けるためにも、購入前に公図確認は必須です。


■ 「住所と地番が違う」ときの対処法

もし登記簿上の地番と実際の住所が違っていたとしても、慌てる必要はありません。

不動産業者や司法書士は、日常的にこのズレを前提に仕事をしています。
ただし、売買契約書や登記申請書は、必ず「地番」で統一」することを忘れずに。

たとえば、

  • 住所:常陸大宮市根本297-1
  • 地番:常陸大宮市根本字西原297番1
    という場合、契約書の「土地の表示」欄は必ず後者を使います。

■ 実際の現場から見た「住所と地番のズレ」事例

📍 事例①:隣の土地と地番が入れ替わっていた

地方では、昔の測量の誤差や登記簿の古さから、地番と現況が食い違うことがあります。
現地調査・測量を行い、司法書士や土地家屋調査士と連携して修正することで解決しました。

📍 事例②:登記簿にない「未登記建物」があった

建物の登記がされていない場合、住所はあっても登記簿上では“存在しない建物”になります。
売買時には「建物未登記」の特約を入れ、登記後に所有権移転する流れにしました。


■ まとめ:住所と地番を正しく理解すれば不動産トラブルは防げる

用語意味主な使われ方
住所(住居表示)郵便・生活上の場所郵便物、免許証、住民票
地番登記・法律上の土地番号登記簿、契約書、測量図
公図地番を確認できる地図境界確認、売買前調査

不動産の売買・相続・登記で重要なのは「地番」です。
普段使っている住所と違っても、それが登記簿上の正しい番号なら問題ありません。


■ 最後に|地元密着の不動産屋だからこそできるサポート

常陸大宮市や近隣エリアでは、住居表示が未実施の地域も多く、住所と地番のズレが原因で登記や相続が止まるケースが実際にあります。
ひたちハウス(IIK株式会社)では、そうした土地の調査や登記補助も行っています。

「住所と登記簿の番号が違うけど大丈夫?」
「相続した土地の場所がわからない」

そんな時は、登記簿と現地を照らし合わせて確認します。
まずはお気軽にご相談ください。


▶ ひたちハウス(IIK株式会社)
茨城県常陸大宮市根本297-1
公式サイトはこちら
地域密着で空き家・古家・農地の売却・買取・登記相談に対応しています。

この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)

ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。

ひたちハスウ代表石川実似顔絵
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