未登記建物のまま売買する方法|市役所の「未登記建物所有者変更届」を使う現実的なやり方

不動産の現場にいると、かなりの確率で出てくるのが
「未登記建物」問題です。

・家はあるのに登記がされていない
・固定資産税は払っている
・でも登記簿には建物が存在しない

この状態、実は地方では全く珍しくありません

そして必ず聞かれます。

  • 未登記のまま売れるの?
  • 登記しないとダメ?
  • 市役所に出す書類があるって本当?
  • 費用はどれくらい?

結論から、ハッキリ言います。

👉 未登記建物は「登記しないまま売買」できます
👉 市役所には「未登記建物所有者変更届」があります
👉 実務では普通に使われています

この記事では、不動産屋の立場から
未登記建物を現実的・合法的に売買する方法を、
オブラートなしで解説します。


目次

そもそも「未登記建物」とは?

未登記建物=存在するが登記簿に載っていない建物

未登記建物とは、

  • 現実には建物がある
  • 固定資産税も課税されている
  • でも法務局の登記簿には存在しない

こういう建物です。

特に多いのは、

  • 昭和の古い家
  • 親の代から建っている家
  • 増築した部分
  • 農家住宅・物置・倉庫

要するに、
「建てたけど登記していない」
それだけです。


未登記建物は違法?結論:違法ではありません

ここ、かなり誤解されています。

❌ 未登記=違法
⭕ 未登記=登記義務を果たしていないだけ

建物の表題登記は、
建築後1か月以内に申請義務がありますが、
罰則はほぼ機能していません。

実務上は、

  • 未登記建物が普通に存在
  • 市役所も把握している
  • 固定資産税も課税している

という状態です。


未登記建物は売買できるのか?

結論:できます(かなり普通に)

未登記建物でも、

  • 売買
  • 相続
  • 贈与
  • 買取

すべて可能です。

ただし、
「登記による所有権移転」はできない
というだけの話です。

そこで使われるのが、
**市役所の「未登記建物所有者変更届」**です。


市役所にある「未登記建物所有者変更届」とは?

固定資産税の名義を変えるための届出

未登記建物の場合、

  • 所有者の管理は「法務局」ではなく
  • 市役所(固定資産税課)

が行っています。

そこで使うのが、

👉 未登記建物所有者変更届
👉 未登記家屋所有者変更届

※名称は自治体により若干違います。


未登記建物のまま売買する基本的な流れ

① 売買契約書を作成する

まずは通常どおり、

  • 土地+建物を売買対象とする
  • 建物は「未登記」であることを明記

【記載例】

本建物は未登記建物であり、登記による所有権移転は行わないものとする。

ここ、必ず明記します。
隠すのはNGです。


② 建物の引き渡しを行う

  • 鍵の引き渡し
  • 現地の使用開始

実態としての所有権は、
この時点で買主に移ります


③ 市役所へ「未登記建物所有者変更届」を提出

ここが最大のポイントです。

提出先

  • 市役所
  • 固定資産税課(資産税課)

主な提出書類

  • 未登記建物所有者変更届
  • 売買契約書の写し
  • 新旧所有者の印鑑
  • 身分証の写し

※自治体によって多少違います。


④ 固定資産税の名義が変更される

届出が受理されると、

  • 固定資産税の納税通知書
  • 課税台帳上の所有者

買主名義に変更されます。

これで、

👉 市役所公認で所有者変更完了
という状態になります。


なぜ未登記のまま売買するのか?

登記するとお金がかかるから

未登記建物を登記するには、

  • 建物表題登記
  • 土地家屋調査士への依頼

が必要です。

費用相場は、

  • 10万円〜30万円前後

正直、
古家・ボロ家・買取案件では割に合わない
ことが多いです。


すぐ売りたい・早く手放したいから

  • 相続後すぐ売りたい
  • 管理が大変
  • 空き家で困っている

こういうケースでは、

👉 未登記のまま売る
👉 必要なら買主が後で登記

この方がスムーズです。


未登記建物のまま売買する際の注意点

注意①:住宅ローンはほぼ不可

正直に言います。

  • 未登記建物
  • 登記移転できない

この条件だと、
住宅ローンはほぼ使えません

そのため、

  • 現金購入
  • 不動産会社の買取
  • 投資家

が主な買主になります。


注意②:契約書の記載は超重要

  • 未登記であること
  • 登記移転しないこと
  • 将来の登記は買主負担

このあたりを
ハッキリ書かないとトラブルになります


注意③:後から登記することも可能

未登記建物でも、

  • 買主が後日
  • 建物表題登記をする

ことは可能です。

その場合は、

  • 建築時期の確認
  • 固定資産税課の資料
  • 現況測量

などを使って登記します。


実務ではどんな物件が多い?

不動産屋の実感としては、

  • 空き家
  • 相続物件
  • 農家住宅
  • 山付き・畑付き物件
  • 築40年以上

こうした物件の
3〜4割は未登記建物が絡みます

つまり、
珍しくも何ともありません。


「未登記だから売れない」はウソ

これは断言します。

❌ 未登記=売れない
⭕ 未登記=売り方が違うだけ

経験のある不動産屋なら、

  • 市役所手続き
  • 契約書の書き方
  • 買主の選定

すべて織り込み済みです。


不動産屋としての本音アドバイス

オブラートなしで言います。

  • 未登記を理由に放置するのは一番ダメ
  • 登記するか、しないかは「金額次第」
  • 安くても早く売るのは立派な選択

特に空き家は、
持っているだけでコストとリスクが増えます。


まとめ|未登記建物は「市役所手続き」で売買できる

最後に要点をまとめます。

  • 未登記建物は違法ではない
  • 登記しなくても売買可能
  • 市役所に「未登記建物所有者変更届」がある
  • 固定資産税の名義変更で実務上は完結
  • ローン不可なので買主は限定される
  • 契約書の記載が超重要

未登記建物は、
知っている人にとっては普通の話です。

「どうしたらいいか分からない」
そう思った時点で、
経験のある不動産屋に相談する
それが一番の近道です。

この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)

ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。

ひたちハスウ代表石川実似顔絵
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