
現状有姿とはどういう意味?不動産売買で後悔しないための基礎知識と注意点

目次
1. 現状有姿とは?意味をわかりやすく解説
「現状有姿(げんじょうゆうし)」とは、不動産を“現在のあるがままの状態で”引き渡すという意味です。
つまり、建物の老朽化・設備の不具合・残置物などがあっても、そのままの状態で売買契約を締結し、引き渡しまで行うということです。
✅ 現状有姿の対義語
- 原状回復渡し(リフォームや修繕、撤去後に引き渡す)
- 更地渡し(建物を解体した状態で渡す)
2. 「現状有姿売買」が使われるケースとは?
現状有姿売買は、以下のようなケースでよく使われます。
🏚 空き家・古家付き土地
老朽化した建物を解体せず、建物ごと売却したい場合。
🏠 相続物件・遠方の所有者
現地の管理や修繕が難しいため、現状のままで売却したいケース。
🏢 投資用物件・賃貸中のオーナーチェンジ物件
現在の入居者や契約内容をそのまま引き継ぐ形式。
🧱 事故物件や訳あり物件
売主がリスクや心理的瑕疵を含めた「現状」を開示し、了承を得た上で販売。
3. 現状有姿の物件を買うときの注意点
現状有姿で物件を購入する場合、次のような点に注意しましょう。
⚠ 設備の動作確認は必須
給湯器・エアコン・水道・トイレなど、引渡し後に「使えなかった」とならないよう事前にチェック。
⚠ 残置物の有無と内容確認
家財道具、ゴミ、古い家電などがそのまま残っている可能性があります。
→ 残置物撤去に数十万円かかるケースも。
⚠ 修繕費用・解体費用を想定しておく
外壁、屋根、床、シロアリなどの補修が必要な場合も多く、解体するなら100万〜300万円が相場です。
4. 現状有姿で売る側のメリット・デメリット
✅ メリット
- 修繕・解体などの費用負担が不要
- 売却までの手間が省ける
- すぐに引き渡し可能でスピード売却ができる
❌ デメリット
- 見た目の印象が悪く、購入希望者が限られる
- 設備不良やゴミの量によって価格交渉されやすい
- 売却後にトラブルになるリスク(説明義務の問題)
5. トラブル事例と回避するためのポイント
【事例1】残置物の処分費用でもめた
買主が「撤去されると思っていた」と主張。明確な書面がなかったため、トラブルに発展。
→ 対策:売買契約書に「残置物の所有権」「撤去の有無」を明記する
【事例2】設備が使えず修繕費がかさんだ
現状有姿を了承していたが、水道が使えず給水工事に30万円かかった。
→ 対策:購入前に「動作確認」と「設備状況報告書」を取得
6. 契約書での「現状有姿」の表記とその効力
不動産売買契約書では、以下のような文言で記載されます:
「本物件は現状有姿にて引き渡すものとし、売主は本物件に関し、引き渡し後の修繕義務を負わない」
この文言により、引渡し後に設備トラブルや老朽化が判明しても、売主は責任を問われないという効果があります(ただし、隠れた瑕疵がある場合は別)。
7. 不動産会社の立場からのアドバイス
現状有姿での売買は、買主・売主どちらにとっても明確な情報開示と書面での合意が重要です。
📌 売主側のポイント
- 状態の説明は包み隠さず伝える(心理的瑕疵・雨漏り・設備不良など)
- 写真や現地確認を丁寧に対応する
- 契約書の文言を慎重にチェック
📌 買主側のポイント
- 内見を怠らず、第三者の建物診断(インスペクション)を活用
- 契約時の「現状有姿」の範囲を明確にしておく
- できれば不動産会社を介した売買を選ぶ
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8. まとめ|現状有姿の意味を正しく理解して安全な取引を
「現状有姿」とは、“いまのままの状態で引き渡す”ということ。
表面的には簡単に見えても、契約上の責任を分ける重要なキーワードです。
知らずに契約すると、「使えない設備が残っていた」「想像以上に修繕が必要だった」と後悔することになりかねません。
逆に、正しく理解し、書面で合意し、必要な確認を事前にしておけば、
✅ 買主にとっては“安く購入できるチャンス”
✅ 売主にとっては“余計なコストをかけずに処分できる手段”
にもなります。
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この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)
ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。
