農地転用の失敗例と許可のポイント|市街化区域でも油断禁物

農地転用――響きは簡単。
でも現場のリアルは書類の迷宮+役所との知恵比べ+法律の壁です。

「畑だから整地して駐車場にしよう」
「とりあえず砂利敷いて物置置くか」
はいアウト。

許可なく農地を転用したら法律違反
最悪、原状回復+罰金コース。笑えません。

この記事では、
農地転用でよくある失敗と、
実際に許可を通すためのポイントを実務目線で解説します。


目次

◆まず基本:農地転用とは?

農地を農地以外の用途にすること

例:

  • 駐車場
  • 太陽光発電
  • 倉庫、物置
  • 家庭菜園→砂利敷いて駐車場に
  • 事務所や店舗
  • 住宅建築

農地は「農地法」でガッチガチに守られてます。
好き勝手に用途変更はできません。


◆許可の種類(ここ間違える人めちゃ多い)

内容法律対象
農地転用農地法5条農地→宅地/資材置場/太陽光など
農地取得農地法3条農地を所有したい時
非農地確認農地法昔農地だったが今は農地でない証明

5条なのに3条やって詰む人、多い。
まず用途→手続き判定が鉄則。


◆よくある失敗例

❌ ① 勝手に砕石敷いて怒られる

畑に砂利敷いて駐車場化。
→住民から通報
→役所来る
原状復旧+指導

地方はご近所ネットワーク舐めたらダメ。


❌ ② 家庭菜園だからOKと思った

境界曖昧な人多数。
砂利敷いた時点で**“農地じゃない使い方”**。

「畝(うね)があればOK」という伝説、信じないように。


❌ ③ 太陽光できるって言われた土地、実は第1種農地

第1種生産緑地、優良農地…
原則不可。泣いてる人何人も見てきた。

「安い農地買って太陽光」は、
だいたい詰み案件です。


❌ ④ 農地を相続して放置→草原→近所クレーム

「畑放置=自然」じゃない。
管理責任あります。

放置=害虫+獣害+火事リスク
固定資産税もずっと払う地獄。


❌ ⑤ 調整区域でもいけると思って買った

調整区域は特に厳しい。
農業委員会の判断が絶対。
ネットの情報は都市部基準、罠です。


❌ ⑥ 隣の土地持ってるからいけると思った

農地法には通用しません。
「地主がOKと言ってる=許可」ではない。

国家資格の行政書士、土地家屋調査士が入る理由はこれ。


❌ ⑦ 役所に聞かずに造成スタート

後出しNG。
行政「事前に相談してください」
→これ鉄板回答です。


❌ ⑧ 不動産会社でも分かってない担当に任せた

これ、恐ろしいほど多い。

  • 査定してもらった
  • 「転用できますよ」と言われた
  • 実際できない

→泥沼。

不動産=全部知ってると勘違いされますが
農地は別ゲームです。


◆許可を通すためのポイント

✅ 行政(農業委員会)に早め相談

意識すべきは

「NOと言わせない準備」

前例確認、資料整理。
行政は敵じゃない。味方にする


✅ 現地用途・排水計画・道路接続を説明

何を作るか、どう使うか、
将来迷惑かけないか、明確に。


✅ 面積と区域を確認

  • 市街化区域:比較的通りやすい
  • 調整区域:ハードモード
  • 第1種農地:原則不可

地図で線見るだけで判断しないこと。


✅ 時間を理解する

許可まで2〜6ヶ月普通。
焦っても進まないのが農地。


✅ 専門家を巻き込む

行政書士、調査士、不動産屋。
チームで動くのが最強。


◆「やっていいか迷う時」の判断基準

  • 自信ないならやらない
  • 行政確認前に動かない
  • 「安い農地」ほど罠

農地は“素人が手を出したら負け”フィールド

覚えておきましょう。


◆最近のトレンド

  • 相続した農地の処分相談増
  • 太陽光撤去地の農地戻し相談
  • 高齢化で管理限界
  • 農地のまま売れない→負動産化

だからこそ
農地の出口戦略=早めの相談が命綱です。


◆まとめ

ポイント内容
✅ 農地転用は許可必須勝手に砂利→終了
✅ 第1種農地は厳しい情報不足が敵
✅ 不動産屋でも知らない人多い専門領域
✅ 2〜6ヶ月はかかる焦らない
✅ 迷ったら行政&プロ相談自己判断は危険

農地を活かせる人は儲ける。
農地を甘く見た人は損する。
これが現実です。


◆最後に:農地の悩み、1人で抱えなくていい

  • 農地相続した
  • 草刈り限界
  • 使い道ない
  • 太陽光無理だった
  • 農地を売りたい
  • 転用方法がわからない

全部よくある相談です。

農地は知識ゲーム
正しい手順で動けば、出口はあります。

「これ農地なんですが…」
その一言でOK。
一緒に最善の道を作りましょう。


この記事を書いた人 石川実(ishikawa minoru)

ひたちハウス、IIK株式会社代表。
宅地建物取引士
空き家空き地の買取、リフォーム賃貸を手掛けるひたちハスウ、出張買取販売「出張リサイクルショップ24時」など茨城県内地域密着でお客様の悩みを解決するべく様々な事業を展開。プロの目線で空き家、空き地の管理方法等を伝授します。

ひたちハスウ代表石川実似顔絵
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